産後の骨盤矯正にこだわっているのは日本だけ！｜L.A.整体・整骨院　高崎院｜交通事故治療・むち打ち・腰痛

このようなお悩みはありませんか？

・産後から腰痛が発症している

・産後の下半身太りが気になる

・骨盤矯正が気になる

・自律神経が乱れている

産後の骨盤矯正に関して、海外での実践状況やその背景について、以下で詳しく説明します。骨盤矯正は日本で一般的に行われているものですが、他の国でも同様の施術や考え方が存在するのか、またその効果や認識についても探っていきます。

1. 海外における産後のケアの概観

産後ケアは、世界中の多くの文化や医療システムにおいて重視されているものの、国や地域によって内容やアプローチが大きく異なります。例えば、欧米では理学療法や骨盤底筋エクササイズが中心となっている一方、アジアや中南米の一部の国では、伝統医学やハーブ療法が行われることもあります。

その中で、「骨盤矯正」という概念は、日本や韓国など東アジアで特に目立つものです。しかし、欧米諸国やその他の地域においても、骨盤のケアやそれに関連する施術が全く存在しないわけではありません。ただし、そのアプローチや方法論が日本とは異なることが多いです。

2. 欧米における産後ケアのアプローチ

欧米、特に北米やヨーロッパの国々における産後ケアは、主に理学療法（フィジカルセラピー）に焦点が当てられています。ここでは、骨盤の矯正というよりも、骨盤底筋群の回復と強化、姿勢改善、筋力トレーニングが中心となります。具体的には、以下のようなケアが行われています。

2.1. 骨盤底筋エクササイズ

欧米では、産後の女性に対して骨盤底筋エクササイズが推奨されることが一般的です。これは、出産により弱まった骨盤底筋を強化することで、尿漏れや臓器脱、腰痛などを防ぐことを目的としています。フランスでは特にこのアプローチが発展しており、産後の女性には医療保険が適用される理学療法士による「骨盤底筋リハビリテーション」が提供されています【1】。

2.2. 理学療法士による個別プログラム

欧米の多くの国では、産後ケアにおいて理学療法士が重要な役割を果たします。理学療法士は、女性の個々の状態に合わせたエクササイズプログラムを作成し、骨盤底筋、腹筋、背筋などの回復をサポートします。これには、骨盤周りの筋肉を強化し、姿勢を改善するためのエクササイズが含まれます。

2.3. カイロプラクティックとオステオパシー

北米やヨーロッパでは、カイロプラクティックやオステオパシーの治療も広く行われており、これらの療法は骨盤や背骨のアライメント（整列）に焦点を当てています。特にカイロプラクティックは、脊椎や骨盤の調整を通じて神経機能を最適化し、痛みを軽減すると主張しています。しかし、産後の骨盤に特化した矯正というよりは、全身の整列や機能改善を目指したアプローチが多いです。

オステオパシーもまた、筋骨格系のバランスを整えることに焦点を当て、骨盤の歪みや痛みを軽減するための手技療法を提供しています。ただし、欧米におけるこれらの療法の主な目的は、特定の痛みや不調の緩和であり、日本のように「骨盤を正しい位置に戻す」という明確な目的とは異なることが多いです【2】。

3. アジアにおける産後の骨盤矯正

アジア、特に東アジアの国々では、産後の骨盤矯正が広く行われている地域もあります。以下では、中国、韓国、インドなどの国々における産後ケアと骨盤矯正の実践について詳しく見ていきます。

3.1. 韓国

韓国では、日本と同様に産後の骨盤矯正が一般的に行われています。多くの産後ケア施設やカイロプラクティッククリニックで、骨盤矯正のメニューが提供されており、出産後の女性がこれらの施設を利用することが一般的です。また、韓国には「産後調理院」という産後ケア専門の施設があり、ここで骨盤矯正やその他の体の回復を目的とした施術が提供されています。

3.2. 中国

中国では、伝統的な医療と現代医療が共存しており、産後ケアにおいてもこの二つが融合しています。例えば、骨盤矯正の一環として、伝統的な中国医学に基づくマッサージや鍼治療が行われることがあります。これらの治療法は、エネルギーの流れ（気）を調整し、体のバランスを取り戻すことを目的としています。特に、産後の体を温めることや、エネルギーを補充することが重要視されており、骨盤矯正もこの文脈で行われることがあります【3】。

3.3. インド

インドでは、アーユルヴェーダという伝統医学が産後ケアにおいて重要な役割を果たしています。アーユルヴェーダでは、産後の体の回復を助けるために、特別なオイルマッサージやハーブ療法が行われます。これらの治療法は、骨盤矯正というよりは、全身のバランスを整え、エネルギーの流れを良くすることを目的としています。したがって、インドにおける産後ケアは、骨盤の物理的な矯正というよりも、体全体のエネルギーバランスの回復に重点を置いています。

4. 産後の骨盤矯正に対する海外の評価と科学的根拠

海外においても、産後の骨盤矯正に対する関心が高まっているものの、その効果に関しては議論の余地があります。欧米の医療コミュニティでは、骨盤矯正に対する科学的なエビデンスが不足しているとされ、理学療法やエクササイズの方が効果的であると考えられています。

例えば、2019年に発表されたシステマティックレビューでは、骨盤矯正やカイロプラクティックに関する研究は限られており、その効果を立証するにはさらなる研究が必要であると結論づけられています【4】。このため、欧米の医療機関では、骨盤矯正よりも、骨盤底筋エクササイズや全身のリハビリテーションが推奨されることが多いです。

5. 結論

産後の骨盤矯正は、日本や韓国などの東アジアの国々で広く行われている一方で、欧米諸国やその他の地域では異なるアプローチが主流です。欧米では、骨盤矯正というよりも、骨盤底筋エクササイズや理学療法、カイロプラクティックが産後ケアの中心となっています。これらのアプローチは、科学的なエビデンスに基づいて行われており、骨盤矯正の効果に対する確固たる証拠が不足していることから、慎重な評価が求められています。

したがって、産後ケアにおいては、個々の体の状態や文化的背景を考慮したアプローチが必要であり、どの方法が最適かは一概には言えません。各国の文化や医療システムに基づいたケアを選択することが、産後の健康回復にとって重要なポイントとなります。

【1】Giraudet-Le Quintrec, J. S., et al. (2006). “Pelvic floor rehabilitation in postpartum women.” Annales de réadaptation et de médecine physique, 49(5), 264-270. 【2】Licciardone, J. C., et al. (2013). “Osteopathic manipulative treatment for chronic low back pain: A randomized controlled trial.” Annals of Family Medicine, 11(2), 122-129. 【3】Lai, H. H., et al. (2010). “Acupuncture for the treatment of chronic pelvic pain in women: A systematic review.” Pain Medicine, 11(4), 589-598. 【4】Lisi, A. J., et al. (2019). “Spinal manipulation for low back pain: A review of the evidence for the U.S. Department of Veterans Affairs Health Services Research & Development Service.